デンタル
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歯科技工業務のワークフローを変革
デンタル事業の概要
歯の詰め物や被せ物、入れ歯などの補綴物(ほてつぶつ)を製作する歯科技工の現場に、歯科用ミリングマシンや統合管理ソフトウェアを中心としたデジタルソリューションを提供することで、業務の高付加価値化、生産性向上をサポートしています。
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歯科用ミリングマシン
歯科用ミリングマシンは、塊(かたまり)状の補綴材料から歯の詰め物や被せ物を削り出す装置です。当社は、補綴物製作のデジタル化が進む歯科技工業界に、歯型をデジタルデータ化するスキャナやCAD/CAMソフトウェアと歯科用ミリングマシンを活用したワークフローを提案しています。現在、ジルコニアやハイブリッドレジンなどの加工に適した「ドライ方式」のミリングマシン3機種と、優れた審美性で歯科医や患者から高い支持を得るガラスセラミックスの加工に適した「ウェット方式(注水しながら研削する方式)」のミリングマシン1機種を展開し、多様化する補綴材料の加工に最適なソリューションを提案しています。
デンタル事業戦略
2010年に新規参入した歯科技工市場では、歯の詰め物や被せ物などの補綴物(ほてつぶつ)を製作する歯科用ミリングマシンが、歯科技工所やデンタルクリニックのニーズを捉え、先進国を中心に急速に市場シェアを拡大しており、当社の3D事業(品目別売上高の「工作機器」に相当)に占める歯科用ミリングマシンの売上も、2019年12月期に約7割に達するなど、当社の3D事業の成長を牽引するまでに存在感を高めています。
3D事業のポートフォリオの変化が顕著になる中、当社は、3D事業の焦点をデンタル分野へと再編すると同時に、新たなブランドの下でデンタル事業の発展を図るべく、2017年4月、DGSHAPE株式会社を立ち上げました。デジタル化が進む歯科技工市場の開拓余地は大きく、新たな補綴材料が次々と登場する市場特性や、補綴物製作業務の多くがアナログで行われている歯科技工所の現状などを考慮すると、専任のセールス・マーケティングチームによるチャネル開拓、ミリングマシンやアプリケーションの技術革新、さらには、オープンシステム・コンセプトを活かしたソリューションにより、歯科技工市場やデンタルクリニックにさらなる付加価値提案が可能であると見込んでいます。
今後の事業拡大に向けて、デンタル事業では、中期的な目標に「新素材への対応力強化」、「グローバル展開の加速」、「歯科業界向け高付加価値提案の充実」を掲げ、活動を推進しています。デンタル市場においては、新素材の登場がトリガーとなって市場が変化することが多く、「新素材への対応力強化」は当社の最重要課題です。材料メーカーの動向と患者、歯科医院のニーズを見極め、いち早く最適な加工方式を提案できるよう研究開発を強化してまいります。一方、一般的な歯科技工所やデンタルクリニックでは、補綴物製作業務の多くが手作業で行われているという現状があり、業務フローの改善、業務の付加価値向上に、当社のデジタルソリューションがさらに活かせる分野があると考えています。歯科医療業界全体のさらなる発展に向けて、引き続きデジタル化による新たな価値を創造してまいります。