
水窪中学校で特別講義 スペースジムニーへの思いを語る
2025年03月12日 企業活動, デジタルプリンティング
当社は1月23日、「スペースジムニー」の製作でコラボしたスズキ株式会社と株式会社ALTILANとの3社共同講義を、浜松市立水窪中学校で開きました。講義では3社のコラボレーションに至った理由やオープンイノベーションの可能性などを伝えたほか、当社製プリンターでのステッカー作り体験、そしてスペースジムニーの見学を行いました。
スペースジムニー製作とイベントの紹介はこちら
オープンイノベーションの可能性伝える
水窪中学校は浜松市街から70kmほど離れた山間部の水窪地区にあります。全校生徒18人が参加した講義では、スペースジムニーの企画やそこで得られた多くの人と一緒に働くことの楽しさなどを語りました。
最初に登壇したのはスズキの大瀧一輝さん。まず、「宇宙は無限の時間や空間を覆う屋根」と語り、その下で企業などが垣根を超え協力し合うことの大切さを解説しました。
さらに、ジムニーは山で仕事をする人のために1970年に初代が発売された車で、水窪地区のような地域の特性が生んだ車だと説明。この日も浜松市街からスペースジムニーに乗り、山道での走りやすさを感じたと語りました。
続いてALTILANの永利光さんは、浜松を拠点に新たな宇宙ビジネスを創出することを目的として昨年設立された企業であると説明しました。そして、「誰もが宇宙へ行ける時代の実現を目指すというビジョンを、浜松の企業と共に目指していきたい」と、コラボレーションの背景を明らかにしました。さらに、本企画ではAI(人工知能)の活用を通じてアイデアの幅を広げ、新たな可能性を追求する取り組みが行われました。
最後に当社の担当者が、「世界の創造(ワクワク)をデザインする」という当社のパーパスを紹介し、各個人の多様なImagine(想像)を尊重し創造のワクワクを大切にしている会社だと説明。そうした中で、3社がそれぞれの技術や知識を掛け合わせて一緒に取り組むと、単独ではできなかったものを作ることができ、さらに新しいアイデアが生まれたと振り返りました。この企画の中でも、スペースジムニーの実現に当社の技術が使えたことなど、企業同士が協力することで生まれたアイデアの多様性や意外性を挙げました。そして、それがこれからの社会で大切な考え方である「オープンイノベーション」だと説き、当社自身含め浜松近隣地域の企業と共に活性化していきたいとの展望も語りました。
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講義が行われた水窪中学校
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講義の様子
ステッカー作りとスペースジムニー見学
講義の次はステッカー作り体験とスペースジムニーの見学。
ステッカー作り体験では、当社製品の溶剤インクジェットプリンター「VersaSTUDIO BN2-20」を用意し、宇宙をモチーフにデザインしたステッカーのプリントを実演しました。
生徒たちは普段目にすることの少ない業務用のプリンターの動きを興味深く見つめていました。
出力されたステッカーは、生徒たちが切り分けて講義の記念に持ち帰りました。
スペースジムニーの見学では、精巧なラッピングを間近に観察したり、手で触れて確かめたりしていました。
運転席に乗り込む生徒もいて、将来運転するイメージを膨らませていたようです。
スペースジムニーのデザインを担当したKUVEL DESIGNクリエイティブディレクターの赤堀宙斗さんは「見て触れてワクワクすることを目的に、3社の思いをひとつのデザインにまとめました。月面を走った錆や汚れを再現するなどデザイナーの遊び心も取り入れました」とスペースジムニーに込めた思いを話しました。
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ステッカー作りについて説明
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スマートフォンを操作してステッカーデザインを作成
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ステッカーが印刷される様子を観察
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運転席に座ってみた生徒も
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スペースジムニーを触ったりしながら見学
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スペースジムニー
夜は星空観察会も
最後は、生徒代表からお礼のあいさつ。代表生徒は「プリントするところを観察できたのとスペースジムニーに乗ってみたことが心に残りました。これで宇宙を走れたらなと想像してワクワクしました」と話してくれました。
また夜には、浜松に2つしかない天体観測ドームのうちの1つがある水窪文化会館の協力で星空観察会が開かれました。今回の講義を水窪中学校で開いた理由はここにあります。水窪地区は「浜松で一番きれいに星が見える」と言われており、スペースジムニーとともに星空を楽しもう、というのが企画の主旨です。当日は天気に恵まれ、集まった生徒や地元の方たちはスペースジムニーとともに星空を見上げ、宇宙へ思いを馳せました。各社の担当者も美しい星空に見とれていました。
当社の担当者は今回のスペースジムニーの企画を振り返り、「自分でも宇宙に仕事で関わるとは(このプロジェクトが始まった)6か月前まではまったく思っていなかったです」とし、「宇宙という大きなテーマで一つのものを作り上げることができました。その中でさまざまな気づきがあり、それがオープンイノベーションの価値だと感じました」と企画の意義を改めて振り返りました。
生徒の皆さんが将来社会に出たとき、オープンイノベーションは一般的なものになっているかもしれません。今回の講義で、少しでも宇宙が身近になった未来や企業同士が協力する社会で働くということに興味を持ってもらえたら幸いです。
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星空観察会にて
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星空とジムニー