製品ライフサイクルを通じた環境負荷低減
製品の開発にあたり、環境に配慮し、資源の消費を抑制することは、持続可能な社会を見据える私たちに課せられた使命であると考えています。当社は、製品の設計・開発から輸送、使用、廃棄に至るまで、製品ライフサイクルのあらゆるステージにおいて、省エネルギー、省資源に努め、低炭素社会、資源循環型社会の実現に貢献します。
製品の省電力設計
日々の業務で使われることが多い当社の製品は、省電力で動作することを旨として設計・開発しています。例えば、主力大型プリンターTrueVIS VG2-640/540の動作最大電力は1,060Wであり、オプションを装着したシステム全体でも1,800W以下に抑えつつ、省電力と高いプリント品質を両立しています。また、全ての当社プリンターはスリープモードを搭載しており、待機時の消費電力を可能な限り抑制できるよう配慮しています。
製品の省資源化
製品の省資源化を継続的に実現すべく、新製品の企画時には、前モデル比で製品重量や部品点数を削減できるよう目標値を設定しています。例えば、2019年発売のインクジェットプリンターVersaUV LEC2-300は、製品重量の削減を目標に掲げ、さまざまな部品の設計を工夫することで、前モデル比で21.6%の重量削減を達成しました。また、2018年に発売したデンタル加工機は、部品点数の削減を目標に掲げ、前モデル比で26.9%の部品点数の削減を達成しました。
製品輸送時の環境への配慮
製品の梱包サイズを、船舶輸送用のコンテナの積載に最適になるように設計しており、輸送時のCO2削減に配慮しています。
40フィートコンテナ
40フィートハイキューブコンテナ
インクジェットプリンターのインク使用量の削減
当社独自のインクドットコントロールにより、インクの使用量を抑えつつも、精細な画質を実現できるよう配慮しています。例えば、インクジェットプリンターVersaUV LEC2-300の1m2あたりのインク使用量は、前モデル比で1/2以下を達成しています。
廃液インク量の削減
インクジェットプリンターを最適な状態でお使いいただくためには、フレッシュなインクで定期的にインクジェットヘッド内をクリーニングする必要があります。当社のインクジェットプリンターは、クリーニング中に発生する廃液インクの量を可能な限り少なくするよう、継続的に動作シーケンスを改善しています。
メンテナンスとリサイクルに配慮した筐体構造
製品筐体の接合にはネジ止めを採用し、可能な限り溶接を廃しています。容易に分解できる構造を実現することで、高いメンテナンス性とリサイクル性を確保しています。
環境に配慮したインクカートリッジの採用
2015年より、環境に配慮したパウチタイプのインクカートリッジを採用し、プラスチックカートリッジからの切り替えを進めています。パウチタイプのカートリッジは、プラスチックカートリッジに比べ1ccあたりの重量が30%以上軽く、輸送時のCO2削減に寄与するほか、使用後の分別廃棄が容易で、廃棄量を大幅に削減できるメリットがあります。
2023年には、プラスチックに係る資源循環の促進の観点から、紙ベースのインクカートリッジを発売し、プラスチックカートリッジからの置き換えを順次進めています。紙製カートリッジは、プラスチックカートリッジに比べプラスチックの使用量を82%削減し、CO2排出量の削減やプラスチックごみ問題の解決に貢献します。
(写真左:パウチタイプ 右:紙製カートリッジ)