プロラグビーチーム静岡ブルーレヴズのウェアやグッズをカスタムメイド
2023年01月31日 デジタルプリンティング
2シーズン目を迎えたラグビーの新プロリーグ「リーグワン」に参戦する静岡ブルーレヴズ(旧ヤマハ発動機ジュビロ)様。インクジェットプリンター「TrueVIS SG3-540」をユニフォームのカスタマイズやオリジナルグッズの内製に活用いただいています。
チームの運営会社の静岡ブルーレヴズ株式会社(静岡県磐田市)の広報・プロモーション/クリエイティブチームでクリエイティブを担当する平野明日香さん(写真)にお話を伺いました。
「ヤマハ発動機のラグビーチーム」から静岡エリアを代表するプロチームへ
Roland DG:静岡ブルーレヴズはどのようなチームですか?
平野さん:前身はヤマハ発動機の実業団チーム「ヤマハ発動機ジュビロ」です。2021年に発足した新しいプロラグビーリーグ「リーグワン」に参戦するため、チーム名を「静岡ブルーレヴズ」に変え、プロラグビーチームになりました。運営会社の当社も子会社として独立しました。リーグワンは12月17日に2シーズン目が開幕したばかりです。
元々あくまでヤマハ発動機のチーム、静岡県磐田市が拠点のチームでした。ブルーレヴズになって大きく変わったのは、ホストエリアが静岡全域になったことですね。2019年のラグビーワールドカップ日本大会では、日本が強豪アイルランドを破った歴史的な試合が静岡で開催され、たいへん盛り上がりました。ですが、静岡全体ではまだスポーツとしてのラグビー自体がまだ身近ではないのが実情です。地域の皆さまから愛され、応援いただけるチームになれるよう、草の根で広報活動に取り組んでいます。
ユニフォームの背番号からグッズ、スタジアムの表示物まで製作
インクジェットプリンター「TrueVIS SG3-540」を導入された経緯を教えてください。
社長(山谷拓志社長)の「ユニフォームの背番号付けやグッズ製作を社内でしたい」というアイデアがきっかけです。私は以前の職場でインクジェットプリンターの使用経験があり、大判インクジェットプリンターで印刷・転写すれば自分たちでできると思いました。リサーチしたところ、ローランド ディー.ジー.が近隣の静岡県浜松市のメーカーだと分かり、導入の相談をしました。当初は卓上型のモデルも検討しましたが、将来的に大きな表示物なども作れるよう、大判でプリント&カット機能付きの「TrueVIS SG3-540」を2022年9月に導入しました。
導入から間もありませんが、グッズ製作を先行して進めており、背番号付けもプレシーズンから少しずつ始めています。
MD(マーチャンダイジング)工房に導入されたインクジェットプリンター「SG3-540」
実際にSG3-540を導入していかがですか?
発色がとても良く、ブルーレヴズのチームカラーの青も鮮やかに再現できます。カットもずれませんね。チームのエンブレムには細い線のデザインがあり、刺繍などでも再現に苦労していましたが、きれいにカットできました。
ブルーレヴズのロゴも鮮やかにプリント
ラグビーのユニフォームの背番号にはどのような特長がありますか。
背番号をSG3-540でカットし、ユニフォームに転写
ラグビーはサッカーなど他の競技と違い、背番号と選手の名前が紐づいていません。選手の急な怪我やポジションの変更があったとき、急いで番号をつけて試合に臨むこともあります。これまでは大急ぎで外注して対応しなければいけませんでした。SG3-540の導入後、早速プレシーズンマッチの急ぎの背番号付けを社内で実現できました。
ラグビーは身体接触が多く、ユニフォームも伸縮する箇所としない箇所がありますが、印刷の剥がれや破れは全く問題ありませんでした。今後はユニフォームのチームスポンサーロゴの急な変更などにも社内で柔軟に対応できればと思います。
どのようなグッズを製作されていますか?
ステッカーから始め、トートバッグやTシャツ、スタジアムジャンパーなどを製作しました。外注ではなく、小ロットで内製することで、1点からでも販売できます。
今回、チームの所属選手の顔写真を漫画や雑誌風にデザインしたグッズに挑戦しました。以前から選手にフィーチャーしたグッズを作りたいと思っていましたが、在庫のリスクがあり実現できませんでした。そこで今回、インクジェットで数量を絞って内製することに。試作品としてイベント会場で限定販売し、ファンの反応が良ければ本格生産するという形をとりました。特にチームの主将で南アフリカ現役代表のクワッガ・スミス選手のグッズは予想以上の速さで完売しました。歴代のユニフォームをプリントしたTシャツなども人気が高かったですね。商品ごとの売れ行きや、挑戦したデザインがファンに受け入れられるかが見えてきたことも収穫になりました。
漫画風のデザインがユニークなトートバッグ
バナーなどの表示物にもお使いいただいているそうですね。
ブルーレヴズには公式ボランティア組織「Revs Crew」があります。スタジアムのボランティア向けのバナーはこれまで同じものを通年で使用していました。しかし、ボランティアの担当者から「毎試合デザインを変えて、選手やボランティアがメッセージを書き込めるようにしたい」と相談がありました。毎回外注するとコストや時間がかるため、社内で作ることにしました。先日の試合で早速ボランティアの方にメッセージを寄せられ、とても好評でした。ボランティアとのコニュニケーションツールになり、モチベーションにもつながりますので、ぜひ継続していきたいと思います。
ボランティア向けのバナーには、ボランティアからの熱い応援メッセージが
ファンとつながるコンテンツを育てたい
これからチャレンジしたいことはありますか。
チームには約50人の選手がいて、どうしても全員均等に露出するのが難しい事情があります。小ロットでグッズを作れる環境ができ、グッズを通じて選手の露出機会を増やせるようになりました。選手本人のモチベーションだけでなく、ファンの選手に対する愛着や思い入れにもつながるコンテンツとして育てていきたいと思います。
チームの所属選手の肖像や選手をモチーフにしたグッズの売上の一部を選手に還元しています。まだファンにあまり周知できていないので、グッズの開発に取り組むとともに、グッズを通じて選手をサポートできることをお伝えしていきたいと思います。
また、ファンの皆さんに試合をより楽しんでいただけるよう、スタジアムで販売するユニフォームやお手持ちのユニフォームにその場で背番号を入れるサービスにも挑戦したいですね。
今後の目標について教えてください。
ラグビー全体に言えることですが、お客様に初めて試合に足を運んでいただき、ゼロをイチにすることが最も難しいと感じています。他の地域のチームも同じように努力されていると思います。一度スタジアムで試合を楽しんだ方は、いずれまた機会があれば来てくださる可能性があります。
家族連れのお客様などが多く集まる週末のショッピングモールでのイベントの開催や、試合会場限定グッズを公式Twitterで予告するといったSNSの活用など、試合に興味を持っていただけるような取り組みを続けていきたいと思います。
ありがとうございました。これからもぜひ選手を支えるユニフォームやファンとつながるグッズなどにご活用いただければうれしく思います。