モトクロスグラフィックのプロが最新プリンター「TrueVIS VF2-640」をテスト
2020年08月05日 デジタルプリンティング
モトクロスで使用されるオフロードバイクは、KTMのオレンジ、KAWASAKIのグリーン、Hondaのレッドなど鮮やかで力強いブランドカラーで彩られています。オランダを拠点にモトクロスグラフィックを製作するWLM Designにローランド ディー.ジー.の最新のインクジェットプリンター「TrueVIS VF2-640」をテストいただきました。
写真:WLM Designの創業者Wisja Lamersさん。同社ショールームにて、2019年のモトクロス・オブ・ネイションズ(モトクロスの国別対抗戦)でGlenn Coldenhoff選手(オランダ)が優勝したバイクとともに
WLM Designの創業者Wisja Lamersさんにインタビュー
WLM Designはモトクロス(MX)、バイクモトクロス(BMX)、ダウンヒルなどのカスタムウェアやステッカーのデザインや製作のエキスパート。このたび、最新のインクジェットプリンター「TrueVIS VF2-640」のヨーロッパでのテストに協力いただきました。新色のグリーンとオレンジインクにより広がった色域やブランドカラーの色合わせに高い評価をいただきました。
「私たちもこの競技の出身で大ファンです。仕事には競技とのつながりが欠かせません。私たちはヨーロッパの多くの大会をキャンピングカーで訪れていて、関係者とは互いをよく知る間柄です。競技のトップクラスをターゲットにしていますが、トップクラスでは品質がすべてといっても過言ではありません」
ヨーロッパのモトクロス業界で支持されるWLM Design
Lamersさんは1月からVF2-640のテストを開始。「主にステッカーの製作に使用しています。鮮やかで力強い色を出せます」
WLM Designは長年ヨーロッパのMX・BMX・ダウンヒル業界にカスタムウェアやステッカーを提供。オランダ・ミールの本社と製造拠点、ベルギー・ボルフローンの支社で10名の社員が働く企業に成長しました。ダーツ業界でも知られる存在になり、他の競技のチームからも製作の依頼が入ります。
「当社の強みはオーダーメイドのスポーツウェアやステッカーを1枚から大量生産まで柔軟に対応できること。製造工程はすべて自社で管理しています。この業界ではとても珍しいことだと思います」
モトクロスのステッカー製作をいち早くデジタル化
ステッカーをデジタルで作るメリットにLamersさんは早くから着目。2005年、業界で先駆けてモトクロス用の厚手のステッカーにデジタルプリントを採用しました。近年は8色インク搭載のインクジェットプリンター「VersaEXPRESS RF-640(北米・欧州向けモデル)」を導入。今年1月からは新製品「TrueVIS VF2-640」も稼働しています。「テストに協力したことで、私たちもたくさんのことが学べました」
VF2-640は最大8色のインクを搭載し、グリーン、オレンジ、ホワイトの特色も選択できます(WLM Designはモトクロス用の特殊なホワイトフィルムに印刷するためホワイトインクを使用しない構成です)。「VF2-640のTR2インクは鮮やかで色域が広く、濃いベタを印刷できます。ベクターファイルを印刷することが多いので、ベタ塗りを美しく表現できることはとても重要です」
色再現へのこだわり
モトクロス業界ではKTMのオレンジやKAWASAKIのグリーンなど、厳密な色再現が求められます
ローランド ディー.ジー.の主力ブランドTrueVIS初のプリント専用機として開発されたVF2-640。TR2インクなど、プリント&カットモデルVG2シリーズの特長を引き継いでいます。特に、オレンジインクや新色のグリーンインクはWLM Designに欠かせないものになりました。「色再現はとても重要です。普段、希望の色はパントンマッチングシステムを参照し調整しています。VF2-640の出力用ソフトウェアVersaWorks 6ではKTMのオレンジ、KAWASAKIのグリーン、Hondaのレッドなどの色合わせが簡単で、複数の印刷データもすばやく処理できます」
VersaWorks 6はグリーンとオレンジをプロセスカラーとして処理するため、より鮮やかな色表現やスポットカラーの置き換えが可能に。また、新しい印刷設定「True Rich Color」で目を引く迫力ある色を印刷できます。VF2-640は幅広い印刷メディアに対応し、オレンジ、グリーン、ホワイトなどの特色も選べます。
最大8色搭載のVF2-640。オレンジ、グリーン、ホワイトを同時に印刷できます
競争力を高める印刷スピード
Lamersさんはハードウェアにも満足しているとのこと。「新しいメディアの自動巻き取り装置は、印刷後のメディアをまっすぐタイトに巻き取れます。プリンターの起動が速くクリーニングサイクルも短いため、時間やインクも節約できます。また、4色・8色モードの最大印刷速度がRF-640より上がったことで、他社に差をつけることができそうです」
ありがとうございました。
これからもWLM Designから素敵なモトクロスグラフィックが生まれるのを楽しみにしています。
この記事はRoland DG Beneluxのウェブサイトに掲載されたコンテンツを加筆・修正したものです。