有限会社ミヤアートグラフィック代表取締役の宮田善備さん

文化施設に高品質なグラフィックを提供 ミヤアートグラフィック

2019年08月01日 デジタルプリンティング

前回に続き、当社の大判インクジェットプリンターの新製品「TrueVIS VG2-540」をお仕事に活用されているお客様を訪ねました。東京都新宿区にある有限会社ミヤアートグラフィックは、美術館や博物館などの文化施設のサインやパネル、壁紙などを数多く手掛けています。同社代表取締役の宮田善備さん(写真)にお話を伺いました。

ミヤアートグラフィックのお仕事について

ミヤアートグラフィックのオフィス

ミヤアートグラフィックのオフィス

大型看板やポスター、パネルなどのグラフィックを日々製作する作業現場

大型看板やポスター、パネルなどのグラフィックを日々製作する作業現場

はじめに、御社の事業内容について教えてください。
博物館や美術館などの文化施設のグラフィックを中心とした印刷業を行っています。出力業務だけでなく、デザインやレイアウトの提案から施工までを一貫して請け負っています。

具体的にはどのようなものを製作されていますか?
文化施設の展覧会のグラフィックを製作しています。屋外に設置する看板から、展示室内の作品解説パネルやキャプションまで幅広く手掛けます。
一般的に、展覧会はかなり先までスケジュールが決まっています。グラフィック製作の依頼を受けた時には告知のポスターやチラシなどの印刷物が先にできていることが多く、そのイメージに合わせてグラフィックを作っていきます。

また他には、企業のショールームや工場のグラフィックなども製作しています。

作品の色を忠実に再現できるVG2-540を導入

色の再現性や印刷速度を高く評価し「TrueVIS VG2-540」を導入

色の再現性や印刷速度を高く評価し「TrueVIS VG2-540」を導入

VG2-540を導入された経緯を教えてください。
長年ローランド ディー.ジー.の大判インクジェットプリンター「VersaCAMM VS-540」などを愛用してきました。お客様からの短納期や高品質への要望が高まっていると感じていた時、ローランド ディー.ジー.さんから新製品のVG2-540を試しに使ってみませんかとお話をいただき、実際に使ってみたところ、とてもきれいに仕上がりました。出力したグラフィックはお客様からも好評で、正式に導入を決めました。

細かい文字の印刷にも活躍

細かい文字の印刷にも活躍

VG2-540を使用した感想を教えてください。
展覧会のグラフィックでは、絵画や写真などの展示作品の色を再現することが求められ、『既存のポスターやチラシなどの色見本に合わせて欲しい』という依頼が多くあります。これまでは色校正で3〜4回修正していましたが、VG2-540では1〜2回程度で済むようになりました。ポスターとは印刷する素材や印刷方法も異なりますので、インクジェットプリンターで全く同じ色を出すのは難しいのですが、「VG2-540」では今までに比べかなり色見本に近づけることができるようになりました。

また、色だけでなく、出力のスピードもかなり向上しているように感じます。インクも新しくなり、乾燥時間も短くなりました。

特にどのようなグラフィックで実感しましたか?
モノクロ写真は、これまでは赤っぽい色や青っぽい色になってしまうこともあり調整が難しかったのですが、忠実にモノトーンで表現できるようになりました。また、オレンジを使ったデザインデータも濁りなくきれいに出力できます。淡い色も再現しやすくなりました。

モノクロ写真もデータを忠実に再現

モノクロ写真もデータを忠実に再現

施工現場でのテストで使用予定のモノクロ写真のグラフィックを実際に見せてくれました

施工現場でのテストで使用予定のモノクロ写真のグラフィックを実際に見せてくれました

分かりやすく、見やすいグラフィックを提案できる出力業者を目指して

製作でこだわっていることはありますか?
展覧会のグラフィックは文化施設の一番の顔になりますので、これまでの経験を活かし、実際の展示作品のイメージを壊さずに展示を演出するようなグラフィックを作ることを心がけています。

あと、出力物をパネルに仕上げることも多いのですが、取り付け方法や素材によってパネルの最適な加工方法があります。また経験上、会場の大きさに適したパネルのサイズや掲載位置も把握しています。施工のミスを減らし、きれいに仕上げるため、心配な時にはそれらを具体的に提案することもあります。指示以上のことを提案して、時にはお叱りを受けることもありますが、最終的にお互いが納得できる形でより良いものを納品することが、次の仕事にもつながります。

最後に、今後の展開について教えてください。
VG2-540を、文化施設のグラフィックはもちろん、最近依頼が増えてきている壁紙などの出力にも活用していきたいと考えています。

また、当社は社内でデザイン作業も行っており、今後は情報やデータなどを視覚的に分かりやすく表現するインフォグラフィックにも力を入れていきたいと思っています。ここ1~2ヶ月で、ピクトサインなどを用いて一目で分かるデザインに編集し、パネルやサインに仕上げて欲しいという依頼が増えています。東京オリンピックの影響もあると思いますが、子どもや海外の方など、誰にでも分かりやすいグラフィックの需要はさらに増えると考えています。
社内でデザイン作業も行っておりますので、ただデータを出力するだけでなく、提案型の出力業者であることを周知していきたいと思います。

ありがとうございました。

より良いグラフィックを提供したいという強い想いを感じられるインタビューでした。