アクリルの魅力を世界に発信 ミユキアクリル
2019年02月28日 デジタルプリンティング, イベント・展示会
東京都足立区の北綾瀬にある本社兼工場でアクリルの加工や製造を手掛ける老舗メーカーのミユキアクリル(有限会社三幸)。オリジナルのアクリル素材の販売やアクリル加工を体験できるワークショップなど、アクリルの魅力を伝える活動を精力的に行っています。ミユキアクリルでは当社のUVプリンター「LEFシリーズ」をサンプル製作などにお使いいただいています。UVプリンターで印刷できる素材としても人気のアクリルについてもっと知るために、当社の海外のセールスパートナーの皆さんとともに訪問しました。
写真:ミユキアクリルの美しいアクリルを使ってオリジナルのアイテムを作るワークショップ
ミユキアクリルについて
北綾瀬の住宅街にあるミユキアクリルの本社
1970年に創業したミユキアクリルは、主に自社で加工するアクセサリーの材料としてさまざまな色や柄の美しいアクリル板を長年作り続けてきました。これまでに製作したアクリルは何と6,000種類以上。2014年にオリジナルのアクリル板ブランド「東京アクリル」を立ち上げ、本社に併設したギャラリーショップで販売しています。定番の透明や単色をはじめ、マーブルやラメ、本物の布地を閉じ込めたものなど、ミユキアクリルの職人さんが一つ一つ色を調合して作り上げた他にないアクリルはクリエイターからも支持されています。
まるでレコード店のようにアクリル板が並ぶショップ
さまざまな色柄やサイズの700種類ものアクリル板を、実際に見て購入できます
店頭に設置された当社のUVプリンターLEF-12
ミユキアクリルの社員の皆さんが、中東・アフリカ・台湾エリアで当社製品を販売するセールスパートナーの皆さんを温かく迎えてくださいました
ワークショップでアクリル加工を体験
今回は、ミユキアクリルで開催しているアクリル加工のワークショップの中から、アクリルを「曲げる」「染める」2種類の加工を体験させてもらいました。
まずはアクリルの曲げ加工を実演していただきました。アクリルは比較的低い温度で柔らかくなるため、ホットプレートで熱して専用の金具で挟むことで簡単に加工できるとのこと。
専用の金具を使ったアクリルの曲げ加工を体験しました
ワークショップでは、熱で簡単に変形できるアクリルの特性を利用し、アクリル板を曲げて立体的なスマートフォンスタンドを作ります。色や柄のあるアクリル板を、レーザーカッターでカットし、UVプリンターで印刷して、自分だけのスマートフォンスタンドができあがります。
好きな色や柄のアクリル板を選んで作るスマートフォンスタンド
ヒーターにかざしてアクリルを柔らかくし、スタンドの形に曲げていきます
初めてのアクリル加工に真剣そのもの
手を動かしながら楽しくアクリル加工を学びました
次のワークショップでは、レーザーカッターでデザインを彫刻した透明なアクリルキーホルダーの手染めに挑戦します。アクリルは水を弾く素材ですが、実は中に6%ほど水分が含まれているため、紙や布と同じように染料を使って簡単に染めることができるとのこと。
透明なアクリルキーホルダーがきれいに染まります
鍋で樹脂用の染料を溶かした水を沸かし、しゃぶしゃぶのようにアクリルを染めていきます
好みの濃さになったら取り出し、すすいで完成
鍋でアクリルが染まる様子に驚きの声があがりました
アクリルの魅力を広めるミユキアクリルの取り組み
ワークショップの後は、社内の工場やミュージアムなどを案内していただきました。ミュージアムには、何十年も前に製造されたアート作品のように美しいヴィンテージアクリルが展示されていました。現在の技術や法規制では製造できない貴重なものも大切に保管し、販売も行っています。
ヴィンテージアクリルについて教えていただいた、会長の小沢頼孝さん
ミユキアクリルの取り組みについて、専務取締役の小野雅也さんにお話を伺いました。
専務取締役の小野雅也さん
「近年、個人でも本格的なものづくりができるシェア工房などの環境が整ってきたことで、アクリルはUVプリンターやレーザーカッターなどのデジタル機器で加工しやすい身近な素材として人気が高まっています。その中で、当社が長年お客様の求める製品を作るために開発してきたアクリル素材にも注目していただけるようになりました。
そこで、一般のお客様にもっとアクリルの魅力を知っていただきたいとの思いから、オリジナルのアクリル板の販売や、国内をはじめ台湾などのイベントへの出展を積極的に行っています。今では海外のお客様もインターネットで当社のアクリルを知ってショップに来てくださいます。
また、アクリルで実際にどのようなものが作れるか体験いただけるワークショップを、社内のほかMakers’ Baseなどのシェア工房や企業などにも出張して開催しています(Makers’ Baseの過去の取材記事はこちら)。アクリルはデジタル機器で手軽に色々な加工ができる素材ですが、そこから一歩踏み込んで、立体にしたり染めたりすることでさらにオリジナリティあふれる作品を作ることができます。アクリルのプロとして、これからもアクリルの活用方法や楽しみ方を広めていきたいと思っています」
アクリルの新たな魅力に触れることができた一日でした。ミユキアクリルの皆さま、ありがとうございました!