ファッションに特化したファブ施設andMadeがリニューアル
2018年12月11日 デジタルプリンティング, イベント・展示会
ファッションとハンドメイドをテーマにしたファブ施設として以前Imagine. BLOGでご紹介した東京・千駄ヶ谷の「andMade.kitasando(アンドメイド北参道)」がこの秋、企画展示スタジオと服作りのアトリエを併設してリニューアル。店長の鈴木直人さん(上写真)に、これまでの活動や今後の展開について伺いました。
andMade.kitasandoは2017年4月に、プロ向けのミシンや最新のデジタル機器を使って自分の着たい服を自由に作れる会員制の施設としてオープン。施設を運営するのは、フリーアナウンサーの古舘伊知郎さんらが所属する芸能プロダクション「古舘プロジェクト」です。andMade.kitasandoでは、当社のUVプリンターとカッティングマシンが活用されています。
andMade.kitasandoの外観
リニューアルの背景について
オープン以降、どのような方がandMadeを利用していますか?
会員は北参道周辺に多いアパレル関連企業にお勤めの方やご自身のファッションブランドを持つ方、デザイナーが中心で、主に作品やオーダーメイドの洋服などの製作にお使いいただいています。(鈴木さん)
リニューアルに至った経緯を教えてください。
会員制の施設を運営する中で、andMadeを知らない会員以外の方にも気軽に足を運んでいただきたい、また外に向けた発信をもっと強化したいという想いを持ち始めました。そこで今年10月に施設の1階をギャラリーやショールーム、イベントスペースとして会員以外の方も利用できる企画展示スタジオ「andMade STUDIO」に、2階を会員専用のアトリエ「andMade ATELIER」にリニューアルしました。(鈴木さん)
1階のスタジオはイベントスペースとして会員以外の方にも開放
スタジオには当社のUVプリンター「LEF-200」をはじめレーザーカッターなど最新のデジタル機器を完備
2階のアトリエは会員が製作に集中できる作業スペース
アトリエに設置された当社のカッティングマシン「GR-420」
スタジオを立ち上げた反響はいかがでしたか?
スタジオではファッション、アート、カルチャーなどテーマを限定しないオリジナルの企画展を開催しています。これまでに漫画や映画ポスターなどをテーマに取り上げました。1階で展示をしていると通りすがりの方も興味を持って立ち寄ってくださいます。展示内容によって雰囲気がガラリと変わりインパクトがあるとお客様の反応も上々です。(鈴木さん)
第1回の企画展となった4コマ漫画「味のプロレス」展
企画展ではどのようにデジタル機器を活用していますか。
UVプリンターやレーザーカッター、ガーメントプリンターなどを使って展示物や装飾のほか、会場で販売するTシャツやキーホルダーなどのオリジナルグッズを製作しています。展示スペースで最新のデジタル機器を活用できることは出展者にとって大きなメリットになると思います。出展者からはグッズの在庫を抱える必要がなく、来場者が欲しいグッズをその場で製作してお持ち帰りいただけると好評です。(鈴木さん)
「味のプロレス」展では、原画の雰囲気そのままにUVプリンターでアクリルにプリント
映画ポスターの展示では名作映画をモチーフにしたイラストをキーホルダーに展開
開催中の企画展について
取材時には、世界中を旅した体験や出逢った人などを題材に洋服を作るノンフィクションクリエイター、AYUMI SUNEYA(強谷鮎美)さんの企画展が行われていました(2018年11月1日~11月17日に開催)。SUNEYAさんに企画展について伺いました。
ノンフィクションクリエイターのAYUMI SUNEYAさん
今回の企画展について教えてください。
andMadeの会員だったことがきっかけで、私が大きな影響を受けたエチオピアでの体験を題材にした写真やイラスト、洋服などを展示・販売する企画展を開催することになりました。創作ではいつも「エシカル(倫理的)」であることを大切にしていて、今回の展示も小さな傷や汚れが原因で廃棄対象になってしまった素材や端材を使って作っています。(SUNEYAさん)
展示物はどのように製作しましたか?
色々な素材を展示に使ってみたいとandMadeのスタッフに相談したところ、スタジオのUVプリンターを使えば素材に直接プリントできるかもしれないと提案いただき、一緒に試行錯誤しながら作り上げました。端材のダンボールや木材に現地で撮った写真をプリントしたほか、会場で販売するグッズやエントランスのグラフィックの製作にもUVプリンターをフル活用しています。(SUNEYAさん)
ダンボールや木材などの素材の風合いを活かしながら、写真を直接プリント
アクリルキーホルダーやソックスなどのグッズもUVプリンターで自ら製作
andMadeのこれまでとこれから
ふたたび、店長の鈴木さんにお話を伺いました。
andMadeではUVプリンターなどのデジタル機器をどのように利用していますか?
会員の方には、UVプリンターで革などの素材にプリントしてオリジナルの生地を作ったり、レーザーカッターと組み合わせてアクリルにプリントするのが人気です。スタッフも新しい活用法を日々考えていて、最近ではUVプリンターと刺繍ミシンを組み合わせてオリジナルのピンクッションを作りました。(鈴木さん)
会員の作品
andMadeオリジナルのピンクッション。スタッフが描いたイラストをUVプリンターでピンに、刺繍ミシンでクッションに表現
これからデジタル機器でチャレンジしてみたいことはありますか?
デジタル機器を使ってお客様と一緒に作品を作るワークショップを積極的に開催していきたいと考えています。例えばレーザーカッターでアクリルを切り出して作った指輪に、お客様の写真をコラージュしてUVプリンターでプリントするのも面白いと思います。(鈴木さん)
andMadeの今後の展開について教えてください。
現在、これから開催する複数の企画展の準備を進めています。今後もさまざまな分野の方とコラボレーションしながら面白い展示をしていきたいと思っています。また、ファブ施設としては特殊な芸能プロダクションが運営元であることもandMadeの大きな強みです。メディア、ファッション、ものづくりを上手く融合させながら、新しいことの発信地になっていきたいと思います。(鈴木さん)
今後もファッションデザインやアフリカの仮面をテーマにしたユニークな企画展や各種ワークショップも準備しているとのこと。これからの活動も楽しみにしています!