UVプリンターで葛飾北斎最大の天井絵を再現
2022年06月20日 デジタルプリンティング, イベント・展示会
当社UVプリンターで印刷した葛飾北斎の天井絵の原寸大デジタル復原画(写真)が、新宿のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]の体験型美術展「Digital×北斎」特別展「大鳳凰図転生物語」で7月3日まで展示されています。
北斎の「八方睨み鳳凰図」を3年がかりでデジタル化
今回復原されたのは、葛飾北斎の晩年の名作として知られる長野県小布施町の岩松院本堂の天井絵「鳳凰図」(八方睨み鳳凰図)。大きさは間口6.3m、奥行き5.5mで、北斎最大の作品と言われています。
復原プロジェクトは、NTT東日本・NTT ArtTechnology・株式会社アルステクネによる、日本各地の文化財をデジタル化し、場所や時間を選ばずに楽しめるようにすることで地域を活性化する「分散型デジタルミュージアム構想」の一環として始まりました。
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3年にわたる現地調査やアルステクネの技術を活用した高精細デジタル化により、天井絵が実は未完成だったこと、線描に光を反射する油煙墨(ゆえんぼく/油由来の墨)が使われたことなどが発見・考察されました。
復原プロジェクトの模様を動画でご覧いただけます。
今回の特別展の特長は、これまで小布施でしか見られなかった八方睨み鳳凰図を、原寸大のマスターレプリカや北斎が本来描こうとした推定復原画で体感できること。当社はUVプリンター「LEC2-640」で推定復原画の出力に協力しました。推定復原画は実際の岩松院本堂と同じように天井に設置。天井絵の世界観をイメージしたプロジェクションマッピング映像とともに鑑賞できます。
UVプリンターで印刷した推定復原画
北斎の色や筆遣いをUVプリンターで再現
推定復原画の出力にあたっては、社内でデジタルプリンティングに長けた担当者によるプロジェクトチームを結成。作品が非常に大きいこと、光を反射する油煙墨や北斎のこだわった鳳凰の赤色、細かな筆遣いを再現する必要があったことから、出力機器にUVプリンター「LEC2-640」を選定しました。印刷材料の選定や出力データの調整など、1年以上の制作期間を経て復原画が完成しました。
UVプリンターLEC2-640で、復原画のデータを24分割して出力
UVインクの特性を駆使し、鳳凰の赤色や絵具の質感、筆遣いまで再現
特別展は7月3日までの木曜~日曜に開催中です(要予約)。ぜひご覧ください。
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「Digital×北斎」特別展「大鳳凰図転生物語」
~小布施とHOKUSAI 神妙に達していた絵師~
主催:NTT東日本
企画・運営:NTT ArtTechnology
開催期間:2022年6月2日(木)~2022年7月3日(日) 木曜日~日曜日開催
開催場所:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] ギャラリーA
(東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階)
入場料:一般・大学生 1,500円