製品ニュース
2006年06月02日
ローランド ディー.ジー.株式会社
リアルファクトリー社と 次世代切削RP(アールピー)ソフトウェア「SRP Player」を共同開発
ローランド ディー.ジー.株式会社(浜松市新都田1-6-4/代表取締役社長:冨岡昌弘)は、次世代切削RPソフトウェア『SRP Player(エスアールピー プレイヤー)』を「株式会社リアルファクトリー(本社:東京都渋谷区恵比寿/代表取締役:相馬達也)と共同開発し、本日発表する「MODELA PROⅡ Model MDX-540/540A」に標準付属することになりました。
いまや製造業各社にとって“消費者のニーズに合った品質の良い商品を、低コストでタイムリーに提供する”ことが、激化する競争を勝ち抜くための命題となっております。このような状況に対応するため各社では3D CADを導入し、3Dデータをモノづくりの全工程で活用することで、製品の品質向上、開発期間の短縮化、製造コストの削減などを図ろうとする動きが活発化しております。
なかでも製品の開発に重要な役割を占める設計開発工程の試作部門では、合理化に向けた取組みが積極的に行われており、3Dデータを短時間で実物のモデルにすることができるRP(Rapid Prototyping-ラピッド・プロトタイピング)への注目が集まっています。
こうした背景のもと、当社では3Dデータを活用した“3Dものづくり”が多くの製造業にとってより身近になるよう、専用の樹脂や粉末で固められた層を重ねて形状を作り上げる加算式の「積層RP」に対して、多彩な素材を用いた試作に対応し、しかも低コストで導入できる減算式の「切削RP(SRP:Subtractive Rapid Prototyping)」を独自に提唱。プロダクトデザイナーや設計者のイメージをカタチにする切削RPマシン「MODELAシリーズ」としてエントリーモデルからハイエンドモデルまで幅広い製品を開発してきました。
また、販売面においては、市場に密着したマーケティング・販売活動を目的に2001年4月に当社3D製品専門の販売子会社「モデリング アール株式会社」を設立。販売網の構築とともに、セミナーや内覧会を通じた導入事例の紹介による啓蒙活動を行うなど、“SRPによる3Dものづくり”の普及を積極的に推進しています。
一方、リアルファクトリーは、プロダクトデザイン・試作品製造分野向けCAMソフトウェア『CraftMILL』を開発・販売しております。切削RP分野の標準的なソフトである『CraftMILL』は金型・成型メーカーの設計部門や一般企業の商品企画部門、デザイン部門から、その使いやすさと高精度なデータ生成について高い評価を得ています。
当社とリアルファクトリーは、以前より「3Dデータを活かしたモノづくり」の市場を開拓するため、密な事業活動を行なってきました。2005年には当社子会社の「モデリングアール株式会社」と「株式会社リアルファクトリー」が、3Dビジネス拡大を目的とした業務提携を行い、技術的・営業的に協力、市場ニーズに対応してまいりました。
今回、共同開発した『SRP Player』は「切削加工に携わったことがない初心者」をターゲットとしており、『SRP Player』を利用することで実際に加工作業に携わったことがないプロダクトデザイナーやCGクリエイターでも手間をかけることなくイメージを具現化することが可能になります。この『SRP Player』を市場投入することで、新たな顧客層の開拓を進め、“3Dものづくり”のさらなる普及拡大を図ります。
SRP Playerの主な特長
‐ユーザーフレンドリーな操作性
‐加工機の設定情報を自動取得
‐ツールパスの計算時間を高速に
‐新しいシミュレーション機能
ユーザーフレンドリーな操作性
『SRP Player』は初心者向けに設計されており、直感的に操作できる環境をご用意しております。分かりにくい切削加工の専門用語はできる限り排除し、ユーザーはモデルデータの取り込みから加工機に送るデータの生成まで、ボタンをクリックしていくだけで設定を完了することができます。工具の選定も一切必要ありません。ユーザーが加工したい形状に合わせ、ソフトウェア側で自動的に工具を選択します。同様に加工に必要なツールパスの情報もソフトウェア側で一度に作成します。思うようなツールパスが出なかった場合のヒントへのリンク表示や生成したデータを加工機に渡す際のウィザードなども用意されており、ユーザーは操作に迷うことなく加工までの作業を実行することが可能です。
※ツールパス:加工時に刃物が動く経路
加工機の設定情報を自動取得
『SRP Player』を起動すると、自動的に加工機と通信を行ない、加工機の機種や回転軸ユニットなどのオプションの設定情報を取得します。通常はユーザーが加工機に合わせソフトウェア側の設定を行なう必要がありますが、『SRP Player』が自動で行ないますので、加工機に関する知識のないユーザーでも簡単に利用でき、また設定のための時間を費やす必要もありません。
ツールパスの計算時間が高速に
従来から3D製品にバンドルしているCAMソフトウェア『MODELA Player4』と比較し、飛躍的にツールパスの計算時間が高速になりました。製作時間の大幅な時間短縮に貢献します。
新しいシミュレーション機能
切削のシミュレーションが新しくなりました。従来は別のアプリケーションにて単面の上側のみを表示するだけでしたが、『SRP Player』では3次元での表示に加え、加工機側に回転軸ユニット(オプション)をつけた場合の4軸加工や円筒加工のシミュレーションも行えるため、事前に正確な加工状況を確認することが可能になりました。
SRP Player GUI
SRP Playerのシステム要件
対応OS | Window®2000/XP (ただし、Internet Explorer6.0以上が必要) |
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CPU | Pentium®4推奨 |
メモリ | 1GB以上を推奨 |
インストールに必要なハードディスク容量 | 20MB |
※「SRP Player」を標準付属した切削RPマシン「MODELA PROⅡ Model MDX-540/540A」は、2006年7月7日 より発売いたします
切削RPに関する基礎知識
切削RPとは
3D CADやCGのデータを短時間で実物のモデルにすることをラピッド・プロトタイピング(RP)といいます。切削RPとは、切削という手段を用いて実物のモデルを作成するラピッド・プロトタイピング(RP)です。光造形、積層式のRPに比べて、様々な素材を使い、高精度で美しいモデルを製作することが可能です。
CAMソフトウェアとは
MDX-540などの切削機器は、パソコンから送られてくる加工データをもとに動作します。CAMは、3D CADやCGで作られた3次元データをもとに、切削機器のための加工データを生成するソフトウェアです。本来切削は刃物の回転数や切削スピードの設定などの専門的なノウハウが必要な作業です。しかし、このノウハウがなくても、3次元データの立体化に適した切削設定を自動計算してくれるのがCAMソフトウェアです。
株式会社リアルファクトリーについて (本社:東京都渋谷区恵比寿)
1999年4月に設立。切削による高精度なRP(ラピッド・プロトタイピング)を実現する自社開発ソフトウェア「Craft MILL(クラフトミル)」をはじめ、「Rhinoceros(ライノセラス)」「thinkdesign(シンクデザイン)」などの3次元CADシステム販売・サポートを行い、「Rhinoceros攻略ガイド」、「thinkdesign攻略ガイド」「削ってみよう!」など、数少ない初心者向けCAD/CAM実用書も執筆・出版しています。
Autodesk Developers Network、SolidWorks Solution Partnerにも参加し、加工機の販売・サポートを通じて、CG、CADの世界から加工ノウハウ、実際の加工機操作までをご提供できる、数少ない真のCAD/CAMカンパニーです。
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