企業ニュース
2005年03月22日
ローランド ディー.ジー.株式会社
人や環境に優しい新工場(デジタルファクトリー)建設開始のお知らせ
ローランド ディー.ジー.株式会社(本社:静岡県浜松市新都田1丁目6-4/代表取締役社長:冨岡昌弘/資本金:36億68百万円/単体売上高149億64百万円)は、年間売上高400億円に対応できる生産体制の構築に向け、2005年5月1日より新工場の建設を開始いたします。
近時の売上高の増加に加え製品の大型化にともない生産力の増強が喫緊の課題となり、また本社の近くで最適な用地が取得可能となったことから新工場建設を計画。2004年10月には公募増資による資金調達を行い、広さ27,709.35m2の同用地を取得するなど、新工場の建設に向け準備を進めてまいりました。
新工場では、デジタルデータをフル活用して完全一人一台生産を実現した当社独自の生産方式「デジタル屋台(注1)」が最大限の効果を発揮でき、働く人に安全かつ快適な労働環境を提供できる「人や環境に優しいデジタルファクトリー」として最先端のモノづくり拠点を目指します。主に屋外広告制作や工業用特殊印刷などに使う業務用大型インクジェットプリンターを製造する予定で、新工場の生産規模は製商品の売上高換算で160億円を見込んでいます。既存の都田本社/工場および大久保事業所の生産規模240億円に加えると、全社合計で400億円の生産規模が実現します。
建物には当地域で懸念される東海地震への対策として免震構造を採用することで、作業者が安心して働ける環境を実現するのと同時に、事業継続性確保の見地から大地震災害後の速やかな操業再開により、ステークホルダーの皆様への被災による影響を最小限に抑えたいと考えています。
一方で、人や環境に優しい工場を実現するため、CSR(企業の社会的責任)の視点を加えた設計を行いました。建物を生産活動に使う作業空間とリフレッシュルームや庭園を配した厚生空間に分けて、作業者が労働時間と休憩時間の気持ちの切り替えを行いやすい環境を整え、また障害をお持ちの方々にも優しいユニバーサルデザインを取り入れました。環境面では、省エネ対策はもちろん、工場敷地に占める緑地の割合を1/3まで増やし、環境ISOによる分別・リサイクルを促進するため産業廃棄物置場を従来より広く設けるなど地球環境への配慮も盛り込んでいます。
開発測定用の施設として、電波遮断無反射装置を設置した電波暗室を新工場に併設することにいたしました。電波暗室は、電子機器からの電磁波の発生量や他の発生源からの電磁波に対する電子機器の耐性を測定・評価するために使用する国内外のEMC規格(注2)(VCCI、FCCなど)に対応した10m法測定用施設です。製品の信頼性を向上させるため製品開発段階でこの施設を利用し、電子機器製品からの不要電波の発生を抑制し、一方で妨害電波に対して影響を受けない耐性を強化します。
なお、工場建設の工期は、2005年5月1日の着工で、同年11月末の竣工を予定しています。
1. 基本コンセプト
①年商400億円に対応した生産体制の構築
②完全一人一台生産「デジタル屋台」の効果を最大限発揮できるデジタルファクトリー
③免震構造を取り入れた建物設計により作業者の安全性および事業の継続性を確保
④製品の信頼性向上のための開発測定用施設「電波暗室」の設置
⑤CSRの視点による人と環境に優しい工場設計
2. 新工場概略
<土地>
建設予定地 静岡県浜松市新都田1丁目101-4(都田テクノポリス内)
土地面積 27,709.35m2(約8,382.07坪)
<工場>
工場面積 9,803.95m2(約2,965.69坪)
建築構造 鉄骨造/2階建
生産品目 業務用大型インクジェットプリンターなど
主要用途 製品の組立・調整・検査
従業員数 最大200名
併設施設 電波暗室、廃棄物一時保管建物
3. 生産規模
全社合計400億円
新工場 | 都田本社/工場 | 大久保事業所 |
---|---|---|
160億円 | 160億円 | 160億円 |
※単体における製商品の売上高換算
4. 事業費
(単位:百万円)
2004年度 | 2005年度 | |
---|---|---|
土地購入費 | 955 | - |
建設工事費 | - | 1,300 |
※土地は2004年10月28日に取得済みです。
※建設工事費は、電波暗室の工事費300百万円を含みます。
※ 2004年10月に行った公募増資により調達した設備資金1,955百万円を含む自己資金で事業費を充当します。
5. 予定工期
2005年5月1日~2005年11月30日
※ 新潟県中越大震災の発生にともなう建物の免震構造への設計変更、鋼材不足による調達期間などを勘案し、当初計画における2005年6月頃の竣工予定を11月末に見直しました。
なお、既存2工場における生産に加え新工場の稼働までグループ企業のローランド株式会社の工場の一部を賃借し生産を行うため、建設計画見直しによる生産面への影響は特段ありません。
(注1)デジタル屋台
3次元デジタルデータをフル活用し、完全1人1台生産を実現した生産システムで、現在、当社の全製品の組立てに使われている。製造経験のない作業者でも短期間で高効率な組立てが可能で、多品種変量に対応できるフレキシブル生産が特徴。年間1千人を超える技術者がデジタル屋台の見学に訪れる。
(注2)EMC規格
Electro Magnetic Compatibilityの略語で、電磁両立性と訳される。電子機器同士の間や無線設備と電子機器の間などで、お互いに電磁的影響を与えることなく正常な動作を確保すること。
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